大相撲の本場所において、頂点に立つ幕内優勝力士の栄誉や賞金に大きな注目が集まる一方で、惜しくも優勝を逃した「準優勝」の経済的実態や、幕内・十両における賞金の仕組み、そして三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)に贈られる賞金の金額について気になっているファンは多いのと考えられます。優勝争いを最後まで盛り上げた力士や、千秋楽まで観客を沸かせた好成績者には、どのような報酬や褒賞が与えられるのでしょうか。
2026年現在の相撲界における経済構造や表彰制度を紐解きながら、優勝賞金と準優勝賞金の差額、さらに知られざる褒賞金のリアルな実態について詳しく解説します。
大相撲の準優勝賞金はいくら?優勝賞金との知られざる違い

大相撲の本場所で優勝した力士に贈られる「優勝賜杯」と「優勝賞金(内閣総理大臣杯をはじめとする数々の副賞や賞金)」が莫大な額に上ることは広く知られていますが、では「準優勝」の力士にはいくらの賞金が支払われるのでしょうか。
実は、日本相撲協会の公式な制度において、野球のペナントレースやテニスのトーナメントのように「準優勝賞金〇〇万円」という一律の固定賞金が単独で用意されているわけではありません。幕内優勝の場合は1000万円という高額な優勝賞金がよく知られていますが、準優勝単体での公式な現金賞金は、協会の規定上の表彰項目には含まれていないのが実態です。
しかし、準優勝に値する成績を残した力士や、優勝決定戦にもつれ込むほどの歴史的激闘を演じた力士には、各界やスポンサー企業からの副賞が贈呈されることが少なくありません。また、準優勝という好成績は、次の場所での地位(番付)上昇や、後述する「褒賞金」の査定において極めて重要な意味を持ちます。
三賞(殊勲賞・敢闘賞・技能賞)の賞金と選考の仕組み
準優勝の金額面での物足りなさを補い、あるいはそれを凌駕する評価となるのが、千秋楽の取組後に発表される「三賞」です。三賞には、殊勲賞、敢闘賞、技能賞の3つがあり、それぞれに明確な受賞基準と賞金が設定されています。
三賞の賞金は、いずれも一律で200万円とされています。優勝争いに加わった力士や、横綱・大関を破る「金星」を挙げた力士に贈られる殊勲賞、すばらしい気迫や好成績を残した若手・中堅に贈られる敢闘賞、優れた相撲センスや技術を発揮した力士に贈られる技能賞は、力士たちにとって名誉であると同時に、大きな収入源となります。
特に、終盤まで優勝争いを繰り広げた準優勝相当の力士は、敢闘賞や殊勲賞の有力候補となるため、結果的に「準優勝の栄誉」と「三賞の賞金200万円」を同時に手にするケースが多く見られます。
| 表彰・賞の種類 | 対象・条件の目安 | 金額・副賞の概要 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 幕内優勝 | 幕内最高成績(14勝1敗など) | 優勝賞金 1,000万円 + 賜杯・多数の副賞 | 日本相撲協会の最高峰の栄誉 |
| 幕内準優勝 | 優勝に次ぐ高成績(優勝同点・1敗〜2敗等) | 公式の固定賞金なし(副賞・スポンサー賞あり) | 三賞や懸賞金、持ち給金の査定に大きく直結 |
| 殊勲賞 | 横綱・大関撃破、優勝争いの主役 | 副賞金 200万円 | 優勝争いを盛り上げた活躍が評価される |
| 敢闘賞 | 優れた成績、闘志溢れる相撲 | 副賞金 200万円 | 新入幕や平幕力士の躍進に贈られやすい |
| 技能賞 | 卓越した相撲技術・技の冴え | 副賞金 200万円 | 玄人好みの正統派の取り口が評価される |
幕内と十両における賞金・副賞・褒賞金の仕組み
土俵での活躍がそのまま収入に直結するのが大相撲の世界ですが、幕内と十両では報酬の構造に大きな違いがあります。
最初に、最大の収入の柱の一つである「懸賞金」は、原則として幕内の取組にしかかけられません。1本あたり数万円(うち手取りとして力士の懐に入る金額や積立金の仕組みがあります)の懸賞が、企業のトランクスや懸賞旗を通じて勝者に手渡されます。したがって、幕内の上位や優勝・準優勝争いに絡むような好位置にいる力士は、日々の取組だけで莫大な懸賞金を手にするチャンスがあります。
一方、十両(十両準優勝など)のステージでは、懸賞金の本数が幕内に比べて極端に少なくなるか、あるいはゼロであることがほとんどです。ただし、十両も立派な「関取」であり、月給(俸給)が支給されるため生活の基盤は安定します。十両での優勝や準優勝、あるいは勝ち越しは、幕内昇格への切符を掴むための最も確実なステップとなります。
相撲の「褒賞金」制度:場所ごとの成績が一生の給与を変える
大相撲の収入を語る上で絶対に外せないのが、持ち給金制度に基づく「褒賞金(ほうしょうきん)」の仕組みです。これが、単発の「準優勝賞金」よりも力士の生涯年収を大きく左右する要因となります。
褒賞金は、本場所で勝ち越した星の数(たとえば8勝7敗なら「1勝分」がプラス、15戦全勝なら「15勝分」がプラス)に応じて持ち給金が加算され、その持ち給金に「1円あたりの単価(現在の支給率)」を掛け合わせた金額が、年6回の本場所ごとに支給される仕組みです。
準優勝を果たすような力士は、1場所で12勝〜13勝といった圧倒的な勝ち星を挙げることが多く、持ち給金が一気に何十銭(十数勝分)も跳ね上がります。この持ち給金は、一度獲得すれば引退するまで(あるいは番付が下がって幕下以下に落ちない限り)ずっと基本給に上乗せされ続けるため、準優勝の経験がその後の力士人生全体の「年収のベース」を劇的に引き上げる原動力となるのです。
【大相撲準優勝賞金】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:大相撲の準優勝力士には、現金の賞金は本当に出ないのですか?
A1:日本相撲協会の公式規定において「準優勝」という名目の定額賞金は用意されていません。しかし、スポンサー企業から副賞が贈られることが多く、また三賞の受賞や勝ち星による褒賞金の増加によって、実質的な経済的メリットは非常に大きくなります。
Q2:十両で準優勝または優勝した場合、賞金や報酬はどうなりますか?
A2:十両でも優勝やそれに準ずる成績を残した場合、表彰や副賞が授与されます。ただし、幕内のような大量の懸賞金はないため、十両における好成績の最大の価値は、幕内への昇格とそれに伴う大幅な給与・待遇のランクアップにあります。
Q3:力士の年収や賞金に最も大きく影響する要素は何ですか?
A3:単発の優勝賞金や準優勝に伴う副賞もさることながら、毎場所の勝ち星の積み重ねによって増えていく「持ち給金(褒賞金)」と、幕内上位での取組にかかる「懸賞金」の本数が、力士の継続的な高収入を支える最大の要素となっています。
大相撲の「準優勝賞金」というテーマを掘り下げていくと、表向きの金額(公式な固定賞金がないこと)以上に、三賞の獲得、勝ち星による褒賞金の跳ね上がり、そして幕内での懸賞金の存在など、力士のキャリア全体を支える重層的な経済システムが見えてきます。
優勝という唯一無二の頂点だけでなく、千秋楽まで優勝争いを演じ、準優勝や三賞を獲得する力士たちのパフォーマンスこそが、相撲界全体の熱気を高め、興行的な成功を支える不可欠な要素です。今後も番付の変動や新たなスター力士の台頭に伴う報酬動向から目が離せません。