2026年現在もネット上のあらゆるミームやパロディ画像として語り継がれている「例のプール」。独特の青いタイルと独特な形状、そしてその周辺のロケーションに見覚えがあるという人は少なくありません。しかし、このプールが一体どこにあり、なぜこれほどまでに多くの映像作品や写真集で使われるようになったのか、その具体的な名前や歴史的背景について正確に知る人は案外多くありません。
本記事では、ネットカルチャーの歴史に深く刻まれたこの象徴的な空間について、元ネタとなった撮影スタジオの正体、具体的な場所、そして現在の状況に至るまでの経緯を徹底的に紐解いていきます。
「例のプール」とは何か?ネットミームとしての発祥と正体

インターネットスラングやSNSの文脈において「例のプール」といえば、深い青色のタイル張りと特徴的な手すり、そして水面を囲むコンクリートの壁が印象的な屋内プールを指します。インターネット黎明期から2010年代にかけて、日本のネット掲示板やSNS、数々の二次創作イラストなどで「あのプールだ」と瞬時に特定・ネタ化される定番のシンボルとなりました。
このプールが広く知れ渡るようになった背景には、主に成人向けビデオ(AV)やコスプレの撮影会、さらには一般の商業映像に至るまで、極めて多くのメディアでロケ地として使用されたという歴史があります。画面の端に少し映り込むだけでも視聴者が「ここを知っている」と気づくほどの高い記号性を持っており、いつしか一種のインターネット・ミームとして定着していったのです。
元ネタとなった撮影スタジオの場所と正式名称の真相
多くの人々がその映像を目にしながらも、具体的な所在地や施設名は長らく都市伝説のように曖昧に語られてきました。しかし、長年のファンの調査や関係者の証言によって、その実態が徐々に明らかになっています。
「例のプール」の実際の所在地は東京都新宿区(早稲田・高田馬場周辺)に存在したレンタル撮影スタジオ、通称「妙高スタジオ(あるいは市谷・新宿区内のビル型スタジオの一部)」でした。住宅街やオフィスビルの一角にひっそりと佇むそのビルは、外観からは想像がつかないような地下あるいは屋内のプールを備えており、映像制作会社の間で密かに利用されていました。
なぜ「例のプール」は数々の作品で多用されたのか?
なぜ日本全国に数ある撮影スタジオの中で、この特定のプールがこれほどまでに頻繁に使用されたのでしょうか。そこには、映像制作現場における実用的な理由と、スタジオ構造上の大きなメリットがありました。
第一に、都心からのアクセスの良さが挙げられます。機材の搬入や多数のキャスト・スタッフを動員する上で、東京都心に位置していることは制作コストを大幅に抑える要因となりました。第二に、天候に左右されない屋内型プールであったことです。ロケ撮影につきものの天候リスクがなく、照明のコントロールもしやすかったため、スケジュール管理が厳格な現場において非常に重宝されました。
加えて、特徴的な青いタイルの色合いと、広すぎず狭すぎない絶妙な空間のスケール感は、カメラのアングル次第で様々なシチュエーションを演出できるという利点を持っていました。こうした実用性の高さが、結果として驚異的な数の作品への採用につながったのです。
ここで、「例のプール」にまつわる主な事実やこれまでの変遷をわかりやすく表に整理して振り返ります。
| 項目 | 詳細・事実 | 備考・背景 |
|---|---|---|
| 正式名称・通称 | 妙高スタジオ(通称:例のプール) | 東京都新宿区内に存在したレンタル撮影スタジオ |
| 主な用途 | アダルトビデオ、コスプレ撮影、インディーズ映画、特撮など | ジャンルを問わず多様な映像作品のロケ地として活用された |
| 特徴 | 青いタイル張り、独特な採光、コンパクトな屋内空間 | カメラ映りが良く、天候に左右されない点が制作陣に評価された |
| ミーム化の時期 | 2000年代後半〜2010年代初頭 | ネット掲示板やSNSを中心に「またこのプールか」と話題に |
| 現在の状況 | 既に閉館・建物は解体済み | 都市開発や時代の流れに伴い、物理的な聖地は消滅している |
現在の状況はどうなっているのか?聖地の消滅と現在地
インターネット上で絶大な知名度を誇った「例のプール」ですが、2026年現在の状況はどうなっているのでしょうか。結論から言えば、既に該当のスタジオは閉館し、建物自体も解体されています。
時代の経過とともに都心の再開発が進み、古いビルやスタジオが次々と姿を消していく中で、このスタジオも例外ではありませんでした。かつて数々の映像が生み出され、ネットユーザーの間で聖地のように語られた場所は、現在では物理的には存在せず、完全に過去の記憶とデジタルデータの中だけの存在となっています。
現地を訪れても当時の面影を見ることはできませんが、ネットカルチャーの歴史においては、今なお語り継がれる伝説的なロケーションとしてその名を残しています。
【例のプール】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「例のプール」は現在でも一般人が見学に行くことはできますか?
A1:いいえ、できません。元ネタとなったスタジオはすでに閉館・解体されており、跡地は別の建物や駐車場などに変わっているため、当時の姿を確認することは不可能です。
Q2:なぜこのプールが「例のプール」と呼ばれるようになったのですか?
A2:2000年代から2010年代にかけて、あまりにも多くの異なる映像作品(特に成人向け作品や低予算のインディーズ作品)に同じプールが繰り返し登場したため、ネットユーザーの間で「また例のプールだ」と共通言語のように定着したのが由来です。
Q3:このプールは商用利用やコスプレで自由に借りられたのですか?
A3:当時は一般的なレンタル撮影スタジオとして運営されていたため、事前の予約と利用規約の遵守、料金の支払いを経れば、商用・個人を問わず撮影に利用することが可能でした。
「例のプール」の正体は、東京都心にかつて存在した「妙高スタジオ」内の屋内プールであり、そのアクセスの良さと使い勝手の良さから多くの映像作品の舞台となりました。そして、その露出度の高さゆえにネットユーザーの好奇心を刺激し、日本独自のインターネット・ミームへと昇華されました。
建物そのものはすでに解体され、物理的な形は失われていますが、インターネットの歴史やサブカルチャーの文脈においては、今後も語り草となる象徴的なロケーションとして記憶され続けるでしょう。