英語のフレーズやイディオムに触れたとき、「直訳すると何となく意味はわかるけれど、実際の会話やビジネスシーンでどう使えばいいのか迷う」ということはありませんか。その代表例とも言えるのが、今回焦点を当てる「more or less」という表現です。日常会話からニュース、ビジネスメールまで実に幅広い場面で登場する定番フレーズですが、文脈によって「だいたい」「多かれ少なかれ」といった異なるニュアンスを持つため、正確な使い方を整理しておくと非常に役立ちます。
本記事では、この「more or less」が持つ基本的な意味から、具体的な例文、言い換え表現、さらにはビジネスシーンでの頻出表現との違いまで、メディア編集の視点からわかりやすく紐解いていきます。正確なニュアンスをマスターして、英語表現の引き出しをさらに広げていきましょう。
「more or less」の基本的な意味と持つべきニュアンス

英語表現「more or less」を辞書で調べると、主に「多かれ少なかれ」や「大体」「ほぼ」といった訳語が見つかります。しかし、実際のネイティブスピーカーの会話や英文ドキュメントにおいて、このフレーズは大きく分けて2つの異なるニュアンスで使い分けられています。それぞれのコアとなる感覚を掴むことが、自然に使いこなすための第一歩となります。
1つ目のニュアンスは、「厳密ではないが、大体その通りである(およそ・ほぼ)」という意味合いです。数字や程度、状態について「正確な数値や完璧な状態ではないものの、全体としては概ねその認識で間違いない」という文脈で使われます。たとえば、予定や数量、進捗状況などを大まかに伝える際に非常に重宝する表現です。
2つ目のニュアンスは、おなじみの日本語訳である「多かれ少なかれ」「程度の差はあれど」という意味です。物事の性質や影響について、「個人差や状況による違いはあるものの、基本的には共通して言えることだ」と総括するときに用いられます。このニュアンスは、よりフォーマルな議論やエッセイ、ビジネスシーンの意見表明などでもよく見られます。
日常会話とビジネスシーンにおける「more or less」の使い方と例文
それでは、実際のコミュニケーションにおいて「more or less」がどのように組み込まれるのか、具体的なシチュエーション別の例文を見ていきます。文脈ごとの使われ方を知ることで、会話のスピード感を損なわずに自然な相槌や返答ができるようになります。
日常会話では、相手の質問に対して「だいたいそんな感じだよ」「ほぼ終わったよ」と気楽に応じるクッション言葉として大活躍します。たとえば、作業の進み具合を尋ねられた際に「I'm more or less finished.(だいたいは終わったよ / ほぼ完了したよ)」と返すことで、あと少しで終わるというニュアンスをスムーズに伝えることができます。
また、相手の発言に対して「More or less.(まあ、そんなところだね)」と一言で返す相槌表現も定番です。完全に「イエス」と言い切ることはできないものの、「大筋ではその通りだ」と肯定したいときに非常に便利なイディオムとなっています。
| 使用シーン | 英語例文 | 日本語訳・ニュアンス解説 |
|---|---|---|
| 日常会話(進捗・概算) | The project is more or less complete. | プロジェクトはだいたい完了しています。(細部の調整を残すのみの状態) |
| 日常会話(同意・相槌) | A: Is it ready? / B: More or less. | A: 準備できた? / B: まあ、だいたいね。(概ねOKな状態) |
| ビジネス・議論(一般論) | We are all, more or less, affected by the new policy. | 私たちは多かれ少なかれ、新しい方針の影響を受けている。(程度の差はあるが全員が該当する) |
| ビジネス・見積もり(概算) | It will cost, more or less, 10,000 yen. | 費用はおよそ1万円くらいです。(正確ではないがだいたいの目安) |
似た表現との違い:「almost」「about」「approximately」との使い分け
「だいたい」や「ほぼ」を意味する英語表現には、「almost」「about」「approximately」などがあり、どれを使うべきか迷うことが少なくありません。「more or less」との違いを整理することで、より的確な表現が選べるようになります。
「almost」は「ほとんど〜(ほぼ100%に近い状態)」を意味します。「Almost done.」であれば「ほとんど終わった(あと一息)」という強い切迫感や完了間近のニュアンスがありますが、「more or less done」の場合は「全体を見れば大体終わっている(大枠はクリアしている)」という、少し余裕を持ったニュアンスになります。
また、「about」や「approximately」は主に数値や時間の「およそ・約」を表す際に使われます。一方で「more or less」は、数値だけでなく進捗状況、抽象的な概念、状態の変化など、より幅広い対象に対して「厳密ではないけれど、だいたいそんな感じ」という曖昧さを含めて表現できる点が大きな違いです。
「more or less」の便利な言い換え表現(シノニム)
文章のトーンを変えたいときや、同じ表現が連続して不自然になってしまうときは、適切な言い換え表現を知っておくと文章のクオリティが大きく向上します。ここでは、文脈に応じた代表的な類義語を確認していきましょう。
一つ目は「to some extent」や「in a sense」といった、ある程度の肯定や限定を表す表現です。「多かれ少なかれ」のニュアンスをもう少しフォーマルに伝えたい場合に適しています。ビジネスレポートや論文など、客観的かつ論理的な文章を書く際にはこれらの表現が好まれる傾向があります。
二つ目は、概算やおおよその状態を示す「roughly」や「practically」です。「roughly speaking(ざっくり言えば)」などは会話でもビジネスでも頻出のイディオムであり、「more or less」の「だいたい」という側面をシャープに言い換えることができます。
【more or less 意味】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ビジネスメールや公式な文書で「more or less」を使っても失礼になりませんか?
A1:カジュアルすぎない表現ですが、契約書や非常にフォーマルな公文書では「approximately」や「substantially」などの硬い表現に置き換える方が無難です。社内メールや通常のミーティングであれば問題なく使用できます。
Q2:「more or less」の位置は文中でどこに置くのが正しいですか?
A2:動詞の前、形容詞の前、あるいは文末など、修飾する対象の直前や文のバランスを見て柔軟に配置できます。一般的には「be動詞の後ろ」や「一般動詞の前」に置かれることが多いです。
Q3:「more or less」と「sooner or later」は混同しやすいですが、どう違いますか?
A3:「more or less」が「多かれ少なかれ・だいたい」と程度や概算を表すのに対し、「sooner or later」は「遅かれ早かれ・遠からずいつかは」と時間の経過を表す全く異なるイディオムです。
英語表現「more or less」は、「だいたい」「ほぼ」「多かれ少なかれ」という非常に使い勝手の良いフレーズです。厳密に言い切るのではなく、少し幅を持たせた表現ができるようになることで、英語のコミュニケーションがより自然で円滑になります。
日常のちょっとした会話での相槌から、ビジネスシーンでの概算や一般的な見解の提示まで、今回ご紹介した例文やニュアンスを参考に、ぜひ日々の英語表現に取り入れてみてください。